■レポート：第３６話　『蘇える記憶』

いろんなことがわかって来た充実の回でした。
・巧は子どもの頃の事故がきっかけでオルフェノクになったこと。
　（ということは、随分長い間オルフェノクとして生きてきたワケですね）
・以前に一度だけ自分の意志でオルフェノクになったことがある。
　しかし、その前後の記憶がはっきりしていない。
・ファイズになっていたのは、そんな自分を忘れるため。
　（ファイズギアは、まさに“仮面”なのですね！）

勇治はやっぱり巧のことが放っておけなくて、かつて出会ったバッティングセンターで相談にのります。ここでの巧は、すごくおだやかで素直な感じでした。巧はずっとオルフェノクの力に取り込まれることを恐れていましたが、勇治は自分の経験から、人間であるとしっかり意識を持っていれば大丈夫と言います。巧は今までそのことを思いながら生きて来たのでしょうか。それは、記憶のない時への漠然とした（自分への）不安があるせいかもしれません。
巧はファイズのベルトを勇治に委ねるのですが（何かのときには自分を倒す約束も込めて）、勇治は彼に「もう一度ベルトを巻く時がくる」と強く言います。それは、見ている私の“願い”でもあります。

さて、何となく真理たちとの生活に戻ったかに見えた巧にも、スマートレディのお迎えが来ました。いっしょに居ても、無理をすることで今は逆に傷つけ合ってしまう彼ら。そんな彼らはもう元に戻ることは出来ないのでしょうか。真理たちのもとを去った巧は、そのまま社長のところへ。そこで恐るべきビデオを見せられます。なんと、流星塾の同窓会の日のビデオがあったのです！それは真理が見ていた光景と同じ・・・。彼ら塾生を襲っているのは自分なのか？これはもしかして、記憶のない変化時と関係があるのか？「俺じゃない！」思わず叫ぶ巧。
そこに村上社長のとどめの言葉が・・・「ようこそ、ラッキークローバーへ」

後半、勇治が変身したファイズが出てきたり、冴子と琢磨に覚悟を試される巧が敵として出てきたり、主人公が敵方にまわる展開って、その心中を思うと泣けるドラマなんですよね〜。「仮面ライダー」の中でも、主人公が力を恐れられることをここまで真正面から描いているのはそんなになかったと思うんですが、さらに彼を追い詰めるのですね。巧君、前半とはうってかわって辛すぎます。(T0T)

＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋

それにしても社長さんは、なぜ同窓会の日のビデオを持っていたのでしょう。（花形前社長が撮ったと言ってましたが）これが巧を決心させる決定打になったので、うまく使ったなと思います。決定的な事実がわかりにくい不鮮明な映像なので、社長さんもどこまでの事実の握っているかは、まだまだ不明です。草加にも流星塾の秘密を聞き出そうとしていたので、全部を知っているのではないのでしょう。すべての謎が同窓会の日に結実していくという大きな縦軸が、今、まさしく物語を動かしているのです。

あ、そうそう忘れてはいけません。直也が助けた子どもの事はまだ続いているので、コレも何か物語りに絡んでくるのではないでしょうか。