その１　石巻と石ノ森萬画館

震災後の訪問から１年。少しずつ復活に向けて動き出した萬画館の様子が伝わってきています。
昨年訪問した時点では、まだこれからのことが考えられるような状態ではありませんでした。 もしかしたら「同じ場所での再開は難しくなるんじゃないだろうか」ということも考えられるような、そんな先が見えない中にありました。
それがまずは再開するという決定に、先に希望がつながった感じがしました。 宿泊の関係で時期をずらさないといけなかったのですが、それでも自分の中では「行かないと！」という気持ちがありました。 「確かめたい！」という勢いだけで行った前回とは少し違う、今までになかった意味合いを心に感じながらの訪問でした。

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町の中はきれいに整備されてきていました。ただ、お店や建物が抜けたままがいくつかあります。場所を移して再開しているところもあって、今までと同じにがんばっているところと、新たに少しずつ動き始めているところと、それぞれの様子がわかってきました。（そこをひとつの目印にしていたお店がなくなってしまったのは、やっぱりさみしいですが・・・）
萬画館は修復の工事が始まっていて、前の道は通れますが、近づいて中を見ることはできませんでした。昨年は周りの景色をゆっくり確かめる心の余裕がなかったので、打ち上げられた船の姿くらいであとはほとんど記憶が残ってないのですが、今回あらためてみると、まわりは本当に他のものがなくなってしまっていました。階段状の芝生になっていた外の公園のところから眺めると、萬画館の姿は変わっていないのに、ずいぶん違ってしまった感じがしました。

それでも、向かい岸にある「石巻まちなか復興マルシェ」や、スタンプラリーの復活など、来た人を楽しませるものはちゃんと始まっていました。　　

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スタンプラリーを前回したのはいつのことだったかしら・・・。今回のは別バージョンですが、前と同じ店もあり、新しいところもあり、それでひととおり町の中をまわる“はずみ”にもなりました。スタンプの中には流れたものがみつかって帰ってきたのもあるそうです。
「石巻まちなか復興マルシェ」もラリーの場所のひとつになっていて、萬画館グッズも売っていましたし、昨年は破損でなくなっていたキカイダーのフィギュアが修理されてここに来ていました。この「石巻まちなか復興マルシェ」からは萬画館を眺めることができます。訪問の少し前には、萬画館に映画を写してここから見るイベントもあったそうです。

そして休憩所にはなんと『００９ RE：CYBORG』のチラシが置いてありました。「ここでも情報出てるんだ〜」とうれしくなりました。ほかにも萬画館の事務所さんとか、市役所とか、駅前のロマン海遊２１とかには、９連ポスターもちゃんと街中から見えるように貼ってあったんです。
ここにもちゃんと、映画の動きは伝わってるんですね。なんだかほっとした気持ちす。

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訪問の中では、一年過ぎた今だからこそ、聞かせていただくことができたお話もありました。私にできることはただ、そこから何が自分の生活に返せるのかを考えるくらいです。でも、このことをムダにはしたくないと思っています。
鉄道もまだ仙石線がつながらず、バスでの行き来にしましたが、そこで出会ったこと、出来たこともあります。カタチは変わっていっても、またそこで出来ることもあるのではないか・・・とも思えてきます。
これから萬画館が開館したら、また見届けに行きたいです。次はどのようなことが始まっているのでしょうか。

2012.09.01up